百聞は一聴にしかず

Catch The GO'S SOULというHPにあったゴスペラーズの曲紹介を中の人が移設しています。

狂詩曲

タイトルは「ラプソディ(rhapsody)」。
Wikiによると、「叙事的で民族的な内容を持つ自由な楽曲。(中略)
特定の楽曲形式を指す言葉ではなく、表現する内容と表現の方法に関係する名称」だそうだ。
「叙事的」で「民族的」というところが当てはまるんだろうが、どうでもいいか。

ファンには有名、宇佐美くんが持ってきた一曲。
「『熱帯夜』みたいな曲が必要なんです。男臭さ満載の曲にしてください」と。
宇佐美くん、よくわかってる~。ファンもそう思ってた!
確かに「熱帯夜」みたいに男臭いには違いないが、やはり大人になったなぁ!と思わせる。
あの頃はまだまだど直球で、もっとフィジカルだった。
けれど、今やすっかり大人になって、心の駆け引きができるようになったな、と。

歌詩も象徴的に使われる言葉が熱情的。
火傷しそうなくらいに、視界が真っ赤になる感じ。
なんでも、曲の仮タイトルは「STR」(宇佐美君は「ストリングス」の意味でつけていた)。
それを見た安岡氏が調べに調べて行き着いたのが「strait gate」=「狭き門」という語句。
そこから、「男臭さ」とつなげるためにさらに想像力を膨らませ、
「狭き門」=「高嶺の花」→そんな高嶺の花の女性に人間らしさを出して欲しい、という
歌になったそうだ。
…なんだ、この妄想力?(苦笑)

後は、「マタドール」という言葉が出てきたところから、この曲の世界観が構築されたそうだ。
が、この「マタドール」という言葉は重要だと思う。
「闘牛」=「生き物が1対1で向かい合う」=「危険性がエクスタシィ」
そう安岡氏はPATIPATIで語っていたけれど、これはこの曲のボーカルのぶつかり合いにも同じことが言えるんじゃないかと。
やっぱりなんだな、黒沢&村上の声のハマリ具合ってのは、もうどうしようもなくキモチイイ。
声質が似てるわけでもないのに、ハマるんだなぁ、これが。
異なるものがぶつかり合うということが生み出すエクスタシィかもね。

初披露は、2006年のファンの集い。
まだ歌いなれていない感じは隠せなかったが(盛り上げ方にギクシャクさを感じた)
そのインパクトはすごかった。
すごかったんだけど、インパクトがすごすきて、何がどうだったのかがわからないままで時が過ぎ、
「なんかすごい曲だ」というのだけが一人歩き。
シングル「Platinum kiss」のカップリングとしてちょい出しされたときは、ただ「物足りない」と。
やっとアルバムでフルサイズで聴けたときは、ほっとした、という感じ。

どうでもいいが、Wikiによると「狂詩曲」という表記はあまり好ましくないらしい。
イメージ力が貧困なことを棚に上げて、情けない話だな。
まったくなんでも縛りたがる世の中だ。