MIDNITE SUN
Talk Boxの第一人者、Zappの故ロジャー・トラウトマンにリスペクトな一曲。
ロジャーの『I WANT TO BE YOUR MAN』からフレーズをいただいている。
なので、歌詞中の「♪ROGER, SING THAT SONG」の「ROGER」はこの人。
そして「THAT SONG」は『I WANT TO BE YOUR MAN』だと思われる。
トークボックスについては、過去に酒井氏がおふぃさるにカキコしてくれたものから抜粋。
「本当はスピーカー入りの箱からのびたビニールのチューブ(ゴムホースのような)から
シンセサイザー等の音を爆音で鳴らし、それを口にくわえてワウワウイエ~云々とやることで
激ファンキーな「楽器が喋ってるー!」サウンドをつくるという仕組みのことです。
さて私、酒井が使ったのはそれを電気的におこなう機械で、
ボコーダーと呼ばれる種類の機械です。(デジテック社のTalkerという機材です。)
本物のTalkboxも試したのですが、
なにしろ人間の頭蓋骨ごとガンガン振動させて音を出すので
視野が狭くなりくらくらしまして
「危ない!危ない!(K-1の石井館長のまね)」と思い断念。
事実あまり身体に良くないそうです」
(Skoop On Somebodyのキーボード・ko-ichiroさんもライブで声を変えていたが、
彼はライブのMCで「トーキングモジュレーター」と言っていた。
これは、トークボックスと同じ原理のもので、ボコーダーとは違う。
ここらへん、詳しくはアルバム『FRENZY』の1曲目『FRENZY』へ)
曲調はアーバンでメロウだが、ゴスペラーズ史上最長のレコーディング期間だった。
全身全霊打ち込んだ、鬼気迫る(笑)制作だったらしい。
リーダーに、やれと言われ色々思考錯誤を繰り返した酒井さん。
トークボックスに日本語をしゃべらせたい、という無理難題や、
せっかく作った物を、それも良いけどこっちもやってみて、などといわれ、
ついに「じゃあお前がやってみろ!」とぶち切れたそうだ。
リーダーとして、酒井はまだやれる、というラインを見極めながらやったらしいが。
題名はソウルチルドレンの『MIDNIGHT SUNSHINE』という曲から。
「MIDNIGHT SUNSHINE」=夜中に輝くもの=不倫相手 …だそうだ。
そこからタイトルをいただいたこの曲もふかーく読めばそう読めなくもないらしい。
最後に秘めた思いを告白するっていうのがリーダー的には「よしっ!」って感じみたい。
ツアー2000では九州上陸以降にナンバーとして入った。
向かって右にスタンドマイクでコーラス3人。
中央にファルセットで歌い上げるリードボーカル・村上てつや。
そして、左にキーボードを前にヘッドマイクを装着した酒井雄二。
シンセサイザーとマイクからの歌声をボコーダーでMIXして音を出していた。
しかし、アンケートに「ボイスチェンジャーよかったです」と書かれ、
酒井さんは「俺、もう泣いちゃうっ」という気持ちになったそうだ。
ライブでは、『逃飛行』のように後ろにCDには入っていないメロディーが付いている。
その部分の詞はほとんど前述したロジャーの『I WANT TO BE YOUR MAN』から取っている。
それほどまでのリスペクトソング。
かなりグッとくること間違いなし。
でも、もうできないだろうからやらないだろうなぁ…。