百聞は一聴にしかず

Catch The GO'S SOULというHPにあったゴスペラーズの曲紹介を中の人が移設しています。

逃飛行

名曲中の名曲。
しかし、ライブで一度でも聴いたことのある人は、CDで聴いてもつまらなく思うだろう。
それほどまでに、ライブ栄えのする名曲。
これをライブで聴いた人は、
村上氏と黒沢氏が「日本のKCi&Jojo」にならないかしら?と思うことでしょう(笑)
「LOVE NOTES」の収録曲として最後まで候補に上がっていたにもかかわらず、
入らなかったので、黒沢氏は悔しがっていたらしい。
しかし、ライブバージョンを愛して止まない私としては、
入らなくてよかったと心の奥で思っている。

ライブバージョンにはCDにはないオリジナルの村上氏と黒沢氏による掛け合いがある。
99年のツアーで披露されたわけだが、
私はそのツアーの初めのほうの神戸で見て、
終わりのほうの名古屋・大阪でも見ることが出来た。
その間にこの歌はまた「変化」していたのである。
ライブの中で「育っていく」というのはまさにこのことなのだろう。
「遠ざかるあなたの背中に…」というフレーズから始まる、このライブバージョンのみの歌詞は
去っていく恋人の背中を見つめながら、もう戻りはしないことを痛感し
「もう一度、僕を抱きしめて」と歌う。
この「もう一度抱きしめて」というフレーズにはぐっときた。
普通、男は「抱きしめる」存在で「抱きしめられる」存在としては扱われない。
それをあえてこう表現したところに、この歌の中の二人の関係が想像できるというわけである。
ま、案外、こういうものなのかもしれないけど。

このライブバージョンの出来は、二人のテンションの上がり具合や
声の出具合だったり、アドリブの出具合
(毎回微妙に違う歌詞であるところから考えると、アドリブも大いにあるのだろう)だったりと
いろいろあるのだが、
私が見た中で一番ぐっと来たのは、G5@大阪のライブだ。

最後に、改めて書いておくが、この曲のタイトルは「逃飛行」であって「逃避行」でない。
なぜか?
そこに作詩者安岡氏のセンスを見出して欲しい。
もちろん、意図があるのだから。