百聞は一聴にしかず

Catch The GO'S SOULというHPにあったゴスペラーズの曲紹介を中の人が移設しています。

Platinum Kiss

作詩家安岡優の本領発揮の1曲。

元々は、黒沢氏が妹尾氏とともにピアノで作っていた曲。
それを改めてアカペラアレンジに切り替えたと。
そんな作曲家黒沢氏から安岡氏へのオーダーは
「きらきらした曲を作ってみたから~。タイトルは『Platinum kiss』ね~」と丸投げ。
…信頼関係と美しく片付けるべきところだろうか。

仕方ないので(?)、安岡氏は取っ掛かりとしてプラチナについて調べてみたと。
「プラチナは何億年も前に隕石が地球に落ちたときに生まれた鉱石だそうだ。
それを恋愛に例えるならば、あなたと僕が出会ったのは運命なんだよ、と」。
なんじゃ、そりゃー!!
「あなたと僕が…」のくだりは腐るほどよく聞くネタだが、その前振りがすごい!
恐ろしく安岡的!!
仮タイトルを偶然とはいえ「プラチナ」にした黒沢氏もすごい…のか?
気を失うほど、クサイ世界観をバックに背負ってるくせに、悔しいかな、
そのロマンティックさにしてやられた。
これって、世の中の求める“ゴスペラーズ”なんだろう。
でも、そこに実は一ひねり。
真っ向から勝負して、ただ綺麗なだけじゃない、楽曲として完成度が高い1曲。

歌うのがゴスペラーズじゃなくても間違いなく素晴らしい。
けれど、歌いこなせるのはゴスペラーズだけだろう。
メンバーも言うように、アカペラのくせに華がある1曲で、
比較的低目の冒頭から、少ない言葉数で一気に世界観を広げた後、ぎゅっと締めるAメロ。
サビでは、また歌詩もメロディもコーラスアレンジもゴージャス。
高めのコーラスラインがそう思わせるのか。
使っている言葉はシンプルなんだけど、選んできた言葉とその組み合わせも華やか。
愛する人よ~」でふっとファルセットになるところがまたまたロマンティック。
あれを地声で張って歌ったら重苦しくて仕方ない。
この辺りが実に昼メロ向き(笑)
この曲を聴くときの私の脳内PVは、いつも、たっぷりドレープのついた
真紅のビロードの生地がばさーっと広がるという映像(笑)


黒沢氏の声質が華やかだというのもある。
一方、同じフレーズを歌う村上氏では少し素朴な印象がある。
このふたりの声が重なったときにはまた違う印象があるのだけど、
この曲ではハモらないでユニゾンで使っているのがまた面白い。


初披露は、2006年ファンの集い。
「永遠に」初披露のときよりはリアクションがあった(爆)
東海テレビ「紅の紋章」主題歌。
昼メロタイアップのデメリットは大きかったかもしれない…もったいないな。