百聞は一聴にしかず

Catch The GO'S SOULというHPにあったゴスペラーズの曲紹介を中の人が移設しています。

こういう曲調好き

初出は、2001年アカペラツアー「アカペラ街」。
酒井氏が、14カラット・ソウルをイメージして作った曲で、
「きっと、彼らならこういう歌を歌うだろう」とイメージしたそうだ。

しかし、イメージの喚起は別のところでも行われていたらしく、
とあるソウル・バーでのエピソードがベースになっているそうだ。
そのソウル・バーには、どんな曲がかかっても「私、こういう曲好き」とか
「私、この曲知ってる」とかいう女性客がいたそうだ。
そして、あるとき、「いいや、おまえは生まれてこの方、この曲を聴いたことあるわけなか!
このアルバムは九州の中でも俺一人しか持っとらんもんね」と
その店のマスターが怒り出したんだとか。
(きっと、博多辺りのソウル・バーだったんですな)
という話から、音楽はうんちくじゃないな、と思い、
至極単純な歌詞の歌が出来上がったそうな。

しかし、このサイトでうんちく?を語らないまま終わってしまっては
このページの意味がないので、うんちくに行きましょう(笑)

曲の最後の「酒井雄二、ドゥ・ワップの名曲を大いに歌う集」で歌われている曲について。

せっかくなので、ドゥ・ワップについてちょっとだけ語ると、
ドゥ・アップの位置付けは人によってさまざまなようで、
「Rock&Rollの一種」とか「Rock&RollとR&Bの中間」とか言われている。
(この場合の「Rock&Roll」は「黒人音楽」のニュアンスだと思われる)
リードボーカルとその他のコーラスメンバーがアカペラで歌うスタイルが一般的で、
コーラスは意味のない、リズムとしての言葉を歌っていたので、
その音を取って、「Doo Wop」と呼ばれるようになった。
50年代の後半にはもっともポピュラーなジャンルとなり、60年前半には衰退していったが、
当時は、若者がこぞってドゥ・ワップグループを作るようなムーブメントがあったそうで、
ちょっと今の日本を思わせる。

さて、さっそく各曲をさらっとご紹介。
まず、「Good night Sweetheart♪」というあの曲は、
シカゴのボーカルグループ、The Spaniels(スパニエルズ)の1954年の大ヒット曲、
『Good night Sweetheart,Good night』という曲。
ビルボードR&Bチャートで5位まで行った曲だそうだ。
彼らは、シカゴにある有名なVee-Jayレコードの第一弾アーティストで、
リードボーカルが1本のマイクを使い、残りのメンバーが1本のマイクを使って、
ステップを踏んだりと、ショウ的要素、「見せる」ことを意識したグループの先駆けだったそうだ。
アルバム『Play it Cool』をはじめ、彼らのアルバムを手に入れれば、
かなりの確率で聴けると思うので、ご一聴を。

次に、「earth angel~♪」と歌われる曲は、タイトルそのまま、『Earth Angel(Will you be mine)』。
ロスのグループ、The Penguins(ペンギンズ)の名曲。
1954年に発表されたが、当初はB面だったらしい。
その後、ラジオ局でのリクエストが多かったために、急遽A面になった曲だそうだ。
R&Bチャートでは3週連続1位、ポップスチャートでも8位まで上がった。
それはさておき、この曲、この「百聞~」の中の他の曲紹介でも登場する。
すぐに見つかると思うのでいちいち言いません。
このタイトルのようにカッコに括られたフレーズがある曲というのは、
ドゥ・ワップだけに限らず、ソウルではよく見かけられるのですが、
このアルバムの中の『Moon Glows(on you)』は、まさにそこを意識して作られたのだろう。

次は「standing alone~♪」と歌われているあの曲、タイトルは『Blue Moon』だと、
酒井氏がFeeln' Soulで言っていたので、それを元に探しまくった…。
ドゥ・ワップの名曲といわれるものの中で、思い当たるのは、
The Marcels(マーセルズ)が1961年にカバーした『Blue Moon』。
元々は、1935年にリチャード・ロジャースとロレンツ・ハートが書いた、ジャズのスタンダード。
それをThe Marcelsがカバーしたのが、世界的に大ヒットして、
R&B、ポップスチャート共に1位を記録し、イギリスでも1位を記録したそうだ。
ちなみに、私は、レスボーカルバージョンしか聴けていないため、
本当にこの曲が、酒井氏が歌っているあの曲かどうかは確かめられていない。
『Doo Wop box』というBOX盤に入ってるらしく、今でも取り寄せられるようなので、
興味ある人は探して聴いてみて、そして、私に真相を教えて下さい。

また、14カラット・ソウルのフレーズも出てくるようだが、
これはまだ簡単に調べがつきそうなので、私は辞退いたします。
そんなに好きじゃないので、14カラット・ソウルは。