百聞は一聴にしかず

Catch The GO'S SOULというHPにあったゴスペラーズの曲紹介を中の人が移設しています。

一筋の軌跡

5ヶ月の“プチ完全休養”明け、一発目のシングル。
前作「ミモザ」からは1年7ヶ月ぶり!
こんなに心配したことはないというほどやきもきさせられた休養期間。
明けて出てきたのが、こんなストレートなアッパーチューンで驚いたと同時に、
心から嬉しかったもんだ。

クサすぎるほどの「ひとつになるのさ」のフレーズが、妙にキモチイイのは10年の月日を
過ごしたからこその言葉だから。
そこには、無駄な力もなく、素直な感情が篭っているように感じられる。

ただアッパーチューンだからというだけでない疾走感。
折り重なる声もまた厚みとか広がりというよりは、どこまでも伸びていくような
開放感を生んでいるように感じる。
2番の平歌の声の重なりなんていうのは、日本でできるのはゴスペラーズだけであるし
(それは単に人数的な問題も含む)、それ以前に「こんなことをやろう!」と考える、
思いつくのがゴスペラーズくらいだろう。
編曲を担当しているこれまたカリスマ的存在の鷺巣詩郎氏のセンスも素晴らしい。
(もし、彼のことを知らない人がいるなら、よーく勉強したほうがいい、うん)
発売時期とプロモーション時の衣装のせいもあって、青い空のイメージ。
「ひとつになるのさ」のフレーズで、恥ずかしげもなく手を差し伸ばしてしまいたくなるような、
そんな青い突き抜けるような空がばっと目の前に広がる。
この爽快感は、言葉では言い表しようがない本能的な快感。
ライブで映えないわけがない。

休み明けの作曲合宿で、5人揃って作った曲。
作曲のクレジットは酒井だが、詞は完全に5人の共同作業らしい。
「休み明けだから、5人で作って改めて結束を!」というほど肩に力が入っているわけでもなく、
自然にあるべきカタチとして、5人での制作を行ったというのが伝わってくる。
だから、「ひとつになるのさ」がクサくないんだろう。

いわゆる“ゴスペラーズらしさ”ではないかもしれないけれど、
これこそ“真のゴスペラーズらしさ”が詰め込まれた、本当の名曲。
こういう曲が一般的に受け入れられないのはとても残念。
“バラードの”とか“アカペラの”なんていうイメージがことごとく邪魔でならない。
いい曲過ぎるがゆえに、腹立たしさが湧き上がってきたもんだ。


日テレ系「音楽戦士~MUSIC FIGHTER」5月度オープニングテーマ。