百聞は一聴にしかず

Catch The GO'S SOULというHPにあったゴスペラーズの曲紹介を中の人が移設しています。

熱帯夜

どんどんポップス路線に走りつつあったゴスペラーズの方向転換曲。
ちょうどディーバブームが起こったときで、
世間は「R&B」というものに興味を持ち始めていたが、
それは、「R&B」の一部である、メロウな曲に対してであった。
それに対抗し、「メロウなだけがR&Bじゃないのよ」と打ち出された一曲。
発売前には、Inter FMでジングルとして使われていた。
サビの「Baby,Baby,Baby,Baby!!」が、秒針代わりにかかっていたのだが、
これがまたカッコよくて。
ちなみに、当時、その番組では村上氏が「Bobby M」として、
マニアック音楽話をしていた。

話は戻って、この曲は全てにおいて、エロエロな曲に仕上がった。
まず、詩。
テクニックとしては、「母音連詞」という方法が用いられているらしい。
私は文系の人ではないのでよく知らないが、
これは和歌の手法で、五七五の五の最後の母音が七の出だしの母音になる、
というものだと安岡氏が語っていた。
例えば、「あなたの指に」の最後の母音は「i」、
次のフレーズの「淫らに触れる」の最初の母音は「i」というわけである。
これによって断片の連続性が生まれ、メロディにマッチした響きが生まれるのだそうだ。
また歌詩に色を用いるなど、瞬間的にイメージしやすいように書かれている。
そして、なんといってもPV!
やたら露出度が高いこのPVは、
ファンの集いで行ったインドネシアのマジャパヒという街の、
由緒正しいホテルで撮影された。
ここに出てくるお姉さんは結婚している方らしく、
ほんとに「お姉さま」だったわけだ。
ゴスのPVに出てくるお姉さんの中で、もっとも好きなキャラである。
この頃の安岡氏は、ヤングから脱ヤングになっていた時で、
なんだか男くさいモードになっている。

そういえば、この曲で初めて「うたばん」に出演。
いまや、なんだかんだいって常連さんである。

とこの辺りまで読んでいてお分かりだろうが、
私はゴスの曲の中でこの曲が一番好きである。その理由は
黒沢薫のシャウト
・エロくさい詩、メロディ、歌唱
・あんな時代にこんな曲をリリースしたというスピリット…である。

この曲には、村上氏もタイトルがいえないという、
「熱帯夜~across 110th street mix~」というリミックスがあって、
それには「かなりえっちぃ♪」という女の子のラップが入っていて、
これまたクールでカッコいい。
このラップを担当しているのは「Section S」という2人グループ。
これは必聴!!

 
G10投票 12位。